・USCPAの「AUD」は沼る人が多くて恐怖を感じている
・体験記を読んで勉強や試験のイメージをもちたい
ゴッチにお任せください!
こんにちは!ゴッチです!
ゴリーマン|コンサル(FAS)でFA←JTC動物園で現場業務|未経験からコンサル転身後、働きながらUSCPA合格|USCPAコーチングでこれまでに36名の科目合格をサポート|現在はCFA勉強中(Level2 Candidate)
☆USCPA/米国公認会計士☆宅地建物取引士
この記事では、私がUSCPA(米国公認会計士)の沼科目の1つである「AUD」を受験したときの記録をつらつらと書いております。
勉強方法などは別記事にする予定ですので、この記事は勉強の合間の息抜きや試験までのイメージづけとして気楽に読んでみてください。
また、プチお役立ち情報もちりばめられておりますので、お見逃しなく!
勉強開始〜模試受験
3科目目はAUDを選択しました。
2、3科目目でBEC、AUDのどちらを先に受験するかは非常に悩ましいところですが、英語力に不安を感じている人はBECから先に受験することをおすすめします。
理由としては以下の2つです。
- AUDは読解問題が多いので、BEC受験を通して少しでも英語力を底上げしてから挑みたかった
- インターネット上の情報によるとAUDは日本人にとって沼りやすい科目であり、ステップ感を得るにはBECの方が適切と考えた
FARを合格した後、一瞬の安堵感はありますが、「まだ4分の1科目しか終わっていない」という事実により焦燥感に駆られます。
しかしこれが一気に半分となると「折り返し地点だ!」ということで、終わりが見えてきて最後まで走り抜けようという気持ちになれます(あくまで個人的な意見ですが・・・)。
ですので、早く2科目目に合格したかったですね。
そんなこんなで私はBEC→AUDの順番で受けました。
2022/4/17にBEC受験を終え、まずはAUDの勉強計画を立てました。
AUDもBECと同様、範囲が少ないので3か月で抜けたいと考え、7月中旬に試験を受けることにしました。
計画を立ててもなお、スコアリリースまで期間が空いていたので早速勉強を開始したかったところなのですが、これまでの調査でAUDは日本人が特に沼りやすい科目だと認識していたので、英語力に不安がある私はまず勉強方法を熟考しました。
インターネットを中心に情報を集めた結果、次のような勉強法に行きつきました。
- 講義動画を見る
- MC問題の解説動画を見る
- 1⃣~2⃣を繰り返して1周する
- MC問題を2周程度やる
- TBS問題を1~2周程度やる
- 模試、5年分のAICPAリリース問題(以下、リリ問)をやる
非常にシンプルですが、簡単に特徴をお伝えします。
MC問題は最初に頑張って解いても、1回解いただけではどうせ数か月後に忘れてしまうので、解くよりも先にMC問題の解説動画を見る(論点や考え方を知る)というスタイルはBECの勉強方法と同様です。
BECの勉強方法と違うのは「マインドマップを作成しない」という点にあります。
理由は以下の2つです。
- AUDは監査人としての考え方を理解するのが重要
- AbitusのAUDのテキストは秀逸に仕上がっている
AUDでは単純な暗記ではなく、とにかくテキストを何回も読んで監査人の考え方を理解することが重要です。
ですので、マインドマップを作成して要点をつかむよりも、テキストを熟読する方が重要だと考えました。
ということで勉強方法が固まったので7月中旬の試験をマイルストーンとして、そこから逆算して上記の勉強方法をカレンダーに落とし込み、2022年5月から本格的な勉強をスタート。
しかし、勉強を開始して早々、薄々感じていた疑念が確信に変わりました。
AUD、仕事と全然関係ないやん・・・
USCPA試験の勉強開始前にもなんとなく、AUDとREGはあんまり活用できなさそうというのはイメージしていましたが、仕事が相応に忙しい中、限りある時間を使って将来活用できなさそうな内容を勉強し続けるのはモチベーション的にかなり苦しいものがありました。
仕事に活用できないことに加え、内容も特段面白いと思えず、I先生の自分語りが聞けるチャプターの最初の回が唯一の楽しみでした。
しかし、あきらめたらそこで試合終了(予備校代、受験代等の総額100万円がパー)という某監督の名言を心に刻み、なんとか全チャプターをやり切りました。
その後MC問題を2~3周程度回し、TBS問題1.5周(重要なチャプターだけ2周)、リリ問を1年分やったところでモチベーションに変化がありました。
近年のAUDのリリ問では、財務的な数値を見て監査人として何を疑うべきか、どういう手続きをすべきかという問題が多かったのです。
例えば、前年比で売上高は変わっていないのに売上総利益率は上がっている、という状況で監査人として何をすべきか、といった具合です。
さすがに世に出ている財務諸表はほとんど監査済みなので、AUDの答えのように計上漏れなどはない(はず)ですが、この「視点」を学べることは私にとって非常に有益で面白かったです。
例えば、事業ポートフォリオ変わったのかな、変動費率が少ないのかな等という仮説が立てれるようになる他、売上債権回転率も見てみようといった次の動きもイメージできるといった形での活用が可能です。
すなわち財務分析スキルが醸成されるのです!
BECで財務指標を学んでから、AUDでその活用方法を学べるという点でもBEC→AUDの順番はおすすめです
財務分析スキルは監査に限らず、あらゆるビジネスマンに求められる能力でもありますし、株式投資をする上でも活用できます。
私の仕事内容にも非常にフィットしておりました。
それもあり、AUDのモチベーションはなんとか回復し、ブーストがかかりました。
諦めなくてよかった、ありがとう安西先生(言ってしまった)。
そんなこんなで一通りやった後、2022/7/2に模試を受験しました。
結果は以下の通り、60点でした。
相変わらず模試の点数は低めです(Abitusの合格者平均点にも全く届いていないはず)。
しかしこれまで同様、結果は気にせずしっかり間違い直しをしました。
その後、Sample問題やリリ問を残り4年分をやりつつ、教科書を何回も読み直して理解を深めていきました。
そうして満を持して本試験に臨みます。
本試験受験(1回目)
2022/7/22、やることはしっかりやったという自信をもって試験開始。
MC問題はよくわからない問題ももちろんありましたが、そういった問題でも自分でロジックをもって答えることができ、順調に消化していきました。
最終的にはTestlet1、2で目標110分のところを105分程度で終われたので貯金をつくれました。
Testlet3も総じて快調でしたが、1つ「preveil」の意味が分からないと解けない問題が出てきました。
裁判がどうなったかを示す非常に重要な動詞なのはわかるのですが、肝心の意味が全くわからず。
ない頭を振り絞って、「pre」で「事前に」で「veil」が「隠す」ってイメージだから、「事前に隠す→裁判は保留だ!!!」と考えたのですが大外れ。
テスト後にすぐに調べてみると「preveil」は「勝訴する」という意味でした・・・
これにより後発事象の認識が間違っていることになるのでこの問題は間違ってしまったことになります。
とはいえ、この件に関しては高々1問ですし、テスト後にわかって落ち込んだものの、テスト中はあっているだろうと信じていたため特に問題はありません。
しかし今思えばこれはある「沼」への入口だったのです・・・
「preveil」がわからなかったものの、切り替えてしっかり休憩し、Testlet4を開始。
突然ですが、私はTBS問題のTestletはいったんすべての問題を見てみて、一番簡単そうなものから取り組み、そこで時間が余った場合は難しそうな問題に使い、目標時間をオーバーする場合は切り上げて次のTestletにいくという戦略をとっていました(ちなみにこれはUSCPA試験共通です)。
Testlet4もこれまでの戦略を採用し、まずは同じようにすべての問題を眺めてみました。
すると3問のうち1問にResearch問題がありました。
Research問題とは試験中に画面上の規定等を調べて、与えられた状況に対応する条文の番号を答えさせる問題のことです。実務でもわからないことがあれば法律や規定に立ち返る必要があるのでそれを学ぶ趣旨で出題されているものとゴッチは推察しています
戦略に則り、「ここできたかResearch問題、まずは君を10分程度で片づけて、残りは余裕をもって取り組もう」と意気込み、Research問題から取り組むことに。
しかし探せど探せど、該当すると思われる条文が全く見当たらないのです。
問題文を何回も読み直しているうちに10分が経過。
不穏な空気が漂い始めるも「まあ15分くらいなら許容範囲か」と思い、Research続行。
しかし15分経過後も全く探せていませんでした。
落ち着いて考えればこの時点で一番確からしい条文の番号を記載し、とりあえず次の問題に移ればいいだけなのですが、この時点で頭がややショートしてしまっています。
あらぬことか「いやこれはまずい、15分も時間をかけたのだから正解しないと」という思考に。
そう、これはまさに「サンクコストの誤謬(ごびゅう)」なのです!!!
サンクコスト(埋没費用:これまでにつぎ込んで回収できていないコスト)を惜しんで投資を続けてしまうことを指します。冷静に考えると損失が拡大する可能性が高くても、サンクコストを捨てることができず、やめられないことでかえって損失が拡大してしまいます。
私は何かの本で読んでこの言葉を知っていました。
途中で表ゴッチ(出典:遊戯王「表遊戯」)が「サンクコストの誤謬や!今すぐその問題を捨てるんだ!」と泣き叫ぶも闇ゴッチ(出典:遊戯王「闇遊戯」)はサンクコストの誤謬沼に深々とはまってしまい、「15分もかけたのだからちゃんと解かないと」「20分もかけたのだからわからないなんて許されない」「25分もかけたのだからこれはもう何もかも終わりだ」と言って聞かず、抜けきれなくなってしまいました。
出典:遊☆戯☆王 漫画より
サンクコストの誤謬沼の底に足がついて「あかん、これ以上はどう考えても無理や」と表遊戯に戻った(もはやゴッチですらない)時にはなんと29分が経過してしまっていたのです!!!
仕方なく、全く自信はないもののその時点で一番確からしい条文の番号を入力するしかなく、文字通りすべてサンクコストとなり撃沈。
終わったころには30分が経過してしまっておりました・・・
もう投げ出したくなるも、安西先生の「あきらめたらそこで試合終了」の言葉を思い出し、何とか気持ちを保ちます。
とはいえ、残り約1時間10分でResearch問題抜きのTBS問題を5つ解かないとだめ(15分/問 未満)だったので、長文の問題文も大量の添付資料もすべて流し読みするしかなく、何が出たかもあまり覚えていない始末でした。
唯一覚えているのは最後に取り組んだ、大量のグラフが出た問題です。
確実にダミーだろとは思いながら、確信は持てないためなんとか解こうとしてみるもタイムオーバーにより前半だけ回答してフィニッシュ。
最後にはライフポイント0の武藤遊戯となり会場を後にしました。
ただUSCPA試験は手ごたえのわりに点数は高く出る試験です。
MC問題は割とできた気がするし、TBSも時間がない中でも諦めずやり切ったという手応えはありました。
試験翌日には切り替えてREGの勉強に移りつつ、8/16のスコアリリースを奇跡を信じて待っていました。
結果発表(1回目)
スコアリリース当日の2022/8/9、恐る恐るスコアを確認してみると・・・
あと1点のところで惜しくもfail!
奇跡を信じて若干合格を期待していたのでやはり悔しかったです。
もしpreveilの意味がわかっていれば合格していたかもと思うと悔しさで爆発しそうに・・・
しかし冷静に考えてみると、Research問題に30分かけるという失態を犯してしまった割には思ったより点数が取れているともとらえられます。
また、FARのときはfail後すぐの受験により、Testlet4〜5のTBS問題すべてで前回と同じ問題が出題されるというラッキーもありました。
詳しくは以下の記事をご確認ください!
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以上の要素から、すぐに気持ちを切り替えて、Score Noticeを確認するよりも前に再受験の手続きを進め、次のスコアリリースのカットオフ日である2022/8/15で予約をしました。
実にスコアリリースから6日後の受験となります。
なお、fail後すぐの受験のメリット等は以下の記事で詳しくお伝えしています。
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無事、予約完了後あたりでScore Noticeが見れるようになったので一応確認してみると衝撃の結果が・・・。
TBS問題はともかくMC問題もWeakerやん!てか74点やのに、ほぼWeakerっておかしくね⁉
自信を無くしそうになるも、これはNASBAがプロメトリックと組んで私の受験日をリスケさせて4,000円もぎとろうと企んでいるほかないと冷静にとらえ、リスケはせず。
Score Noticeは無視して、テスト前と同様、テキストを中心に6日間勉強しました。
テスト後、変えた点であげるとすれば、その場でしっかり考えないとAUDは合格できない、という意識を強くもったことでしょう。
リリ問で薄々感じていましたが、一度受験してみてそれは確信に変わりました。
昔は、この文言はどのレポートのものかを問うなど単純な暗記問題が多かったようですが、近年はそうではありません。
より実務に即した形で、ある状況でどのように行動するかという形式の問題が非常に多いです(前述した財務分析の問題と同じ傾向)。
ですので、テキストはこれでもかというくらい読み込んでおくのが良いと考え、6日間で何周もテキストを読み直しました。
そうすることで、初見の問題でも論理立てて考えることができるようになります。
そして、再試験に向けての勉強中にリリ問の重要性を再認識する出来事がありました。
実は1回目の試験直前に2022年のリリ問が公開されていたのですが、スケジュールの関係でMC問題しかできなかったのです。
再試験にあたってTBS問題をやってみると、なんと「preveil」が出てきていたのです・・・
やはりリリ問はしっかりやっておくべしというのを痛感しました。
あとREGしか残ってないけど、リリ問はしっかりやろう・・・
そんなこんなでまんべんなく総復習を行い、8月15日の再試験に挑みました。
本試験受験(2回目)
2022/8/15、カットオフ日当日なため、もし結果発表されなかったらどうしようという一抹の不安はありながらも試験開始。
6日間の勉強でしたがしっかり復習した成果もあり、Testlet1、Testlet2を(難易度変化をやや感じつつも)快調に終えました。
fail後すぐに受けたFAR同様、やはり1回目と同じ問題が2〜4問出ました。
目標110分に対し10分程度貯金をつくり、次はTBS問題です。
ここで落ち着いて自分に言い聞かせます。
Research問題は絶対に10分で終わらせること!!!
かなり入れ込んでいたものの、Testlet3ではResearch問題は出ず。
貯金10分を残したまま平穏無事に休憩に入りました。
そして休憩後Testlet4を開始します。
FARの時と同様、同じ問題が出ていないか期待と不安に胸を膨らませて、各問題を見てみると・・・
同じ問題はありませんでした。ちーん
仕方ありません、そんな上手いことはいきませんね。
そんなことよりResearch問題があったのでまずはこいつから仕留めねば。
「10分、10分」と念仏を唱えながらやっていると、今回の問題は秒で条文が見つかったので5分かからず(さすがに秒では無理)で終わりました。
時間が結構余りましたが他の問題を丁寧に読む時間に使って消化。
目標50分に対して5分貯金でTestlet5に移りました。
これまでと同様に各問題を見てみるとなんと、Research問題がまた出題されているではありませんか!!!
インターネット上の情報でResearch問題が2問出たという方の情報を目にしたことはありましたが、まさか本当にあるとは・・・
てかこれ、前回つまづいたResearch問題でグイグイ攻めてきてるやん・・・
受けて立とうじゃありませんか!
と意気込んだものの、またしてもあっさり条文が見つかり5分かからず。
非常にラッキーでした。
あとはゆっくり時間を使って丁寧に回答し、無事終了。
今回は前回出題されたような大量のグラフ添付問題も出題されず、比較的平和に終わりました。
全体を通した手応えは悪いものではありませんでしたが、何せ前回(NASBAとプロメトリックの策略とはいえ)MC問題がWeaker判定だったのでそこまで自信は持てませんでした。
安心半分、不安半分で会場を後にし、北海道旅行に旅立つことに(安心しきってるやん)。
結果発表(2回目)
人生初の北海道旅行から帰ってきた翌日の2022/8/23にスコアリリースを確認すると、81点で合格していました!
手応えもあまりなく、failになったら本格的な沼入りやと恐怖に怯えていたので、安堵感でいっぱいになりました。
またBECとAUDという日本人にとっての山場を越えたのも非常に嬉しかったです。
点数としては可もなく不可もなくといった感じですね。
初回で苦戦したResearch問題を克服したのを評価してくれたのだと思います(知らんけど)。
そして今回もfail後すぐに受験して合格することができました。
今回は1点足らずのfailでしたが、USCPAにおいて65点以上ならすぐに受験する「鉄は熱いうちに打て理論」は個人的にはおすすめです。
何にせよ合格できたのは「諦めたらそこで試合終了」→「諦めなければ永遠に挑戦できる!」という強い気持ちでしょう。
ありがとう安西先生。
まとめ
AUDの試験内容に関するものではなく、AUDの受験を通して気づいた試験全体に通ずることをまとめておきます。
- あきらめたらそこで試合終了
- Research問題は絶対に10分で終わらせる
- 試験では常に落ち着いて、自分で決めた時間配分に則って回答する
- たとえfailでも、65点以上なら次のスコアリリースのターム内の試験日をすぐ予約する
- カットオフ日の受験でも基本的には予定のスコアリリース日でちゃんと合格発表される
- 近年のUSCPA試験は実務に即して、考えさせる問題が増えている→単純な暗記では通用しない
結局、AUDは2022年4月中旬〜8月中旬の4か月かけての合格となりました。
目標は3ヶ月でしたが1回failとなってしまいましたのでその分期間を要してしまいました。
とはいえ、Expireとなるのが2023年6月と考えると着実なスケジューリングです。
そしてついにUSCPAも残りはREG1科目となりました。
感慨深いです(浸るの早すぎ)。
次こそはBEC以来の一発合格を成し遂げたいところです!